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『美しい罠』17話~勝利のクイーン~

2007年6月17日

怪物を釣り上げた

類子(櫻井淳子)のアパートでお互いを激しく求めようとする最中、無情にも着信を告げる携帯。変な所で生真面目な槐(高杉瑞穂)は、携帯に出てしまうのです。よせばいいのに。

山荘に帰った槐。恒大(麿赤児)の用事は類子を呼び戻せということでした。槐は喜び勇んで類子を迎えにいくものの、類子にその気はこれっぽっちもなし。それも当然ですよね。二人はゲームのパートナーとは言え、目的はまるで違いましたから。

槐にとっては、恒大から財産を奪うということに意味がある。だから、理不尽なことをされても我慢し続けるしかない。でも、類子は違う。退屈な日常から抜け出したい。そのための手段が、偶然にも槐と共謀することであっただけ。財産を奪う相手は必ずしも恒大でなくてもいい。それどころか財産を奪うゲーム以外でも構わない。退屈な日常から脱却さえできれば。恒大の山荘は、人の姿をした鬼の巣窟。嫌な思いをするのがわかっているのに、なぜ帰らなければならないのか。

戻らない類子にしびれをきらした恒大は、類子のアパートへ行きプロポーズ。さらに類子のためにマンションまで用意します。そのマンションで槐は「怪物を釣りあげた」と無邪気に大はしゃぎ。そんなことを言ってられるのも今だけなのに…。

帰り際のキス

話は変わりますが、美罠のDVDが発売された後に、櫻井さんと高杉さんのトークショーがありましたよね。その中で、ファンが選ぶ人気シーンベスト10が放映されたそうです。上位には槐と類子のキスシーンが多数ランク入りしていたとか。それも当然ですよね。このお二人のキスはとても美しいものでしたから。

ベスト10には入っていなかったけれど、改めてDVDを観て素敵だなぁと思ったのが、今回冒頭の方にあるキスシーン。類子のアパートから帰り際のところです。このシーンは回想として何回も流れたりしなかったので、私の記憶の中では薄れていたんですが…。

急な呼び出しに槐の身を案じる気持ちと、帰ってほしくない気持ちが交錯する類子。不安げな類子をあやすようにキスをすると、「また連絡する」と言い残して去る槐。その時に、槐はとても優しく類子の顔や髪を撫でるんですよね。

普段の槐の愛情表現は、内に秘めたものがこらえきれなくなった時に暴発って感じなんですよ。けれど、この時は類子への愛が穏やかに降り注ぐイメージ。以外な一面という感じで、私の中のお気に入りに追加が決定です。

  • この記事を書いた人

えいえむ(詠山依麦子)

アラフィフ非正規おひとり様/ブログは2006年から(長い休止期間を含む)/

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