40代後半に入ってからつくづく思うのです。この数年はあまり読書をしなくなったなということを。
本を読むのは、平均すると月に3冊程度。文化庁の調査によると、私の読書量そのものは上位10%には入っているようなのです。
(参考HP)文化庁 令和5年度「国語に関する世論調査」の結果について/添付資料PDFより(新しいタブで開きます)
それなのに、あまり本を読んでいないと感じるのはなぜなのか。おそらくは手にするのは仕事関連のものばかりで、自分が本当に読みたい本から遠ざかっているからなのでしょう。
私が昔から好きなのは気軽に楽しめる小説やエッセイ。しかし、読みたいと思って買った本の多くが本棚でほこりをかぶっている状態でした。そこで、これまでの読書量に加えて意識して小説を読む時間を作ったのです。
その結果、読書をしたという実感は増えました。けれども、二つの理由から本を読むことを以前ほど楽しめなかったのです。
読書をするには体力がいる
あと10分だけ本を読んだら寝ようと思っていたのに、気づいたら外はすっかり明るくなっていた。読書が好きな人なら、夢中になりすぎて時間を忘れる体験をしたことがあるのではないでしょうか。
久しぶりに好きな本を読もうと思った時に、仕事に影響しないようにと金曜日の夜から読み始めたのです。ところが、思いっきり杞憂に終わりました。長く本を読み続けることができなかったのです。
目が疲れる。首が痛い。肩が痛い。腰が痛い。あっちもこっちも痛い。
本にじっくりと向き合うための体力がすっかりなくなっていました。続きを読みたい気持ちがあっても体がついていきません。読書に時間を忘れて没頭できるのは若さならではの特権だったのだと思わされます。
読書の好みは変化する
先ほども述べたように、この数年は本を読むことはあっても自分が読みたい本までなかなか手が回りませんでした。しかし、私の好きな作家の作品を中心にして本自体の購入はしていたのです。読書よ再びと思った時に、真っ先に手に取ったのはそれらの本でした。
しかし、読んでもその世界観にハマれないものが多数ありました。中には一冊を読み通すのが苦痛に感じるものすらあったのです。現役の作家の新作の時にその傾向は強いように感じます。
考えてみればそれも当然ですよね。年齢を重ねれば興味の対象も変わります。数年前に面白そうに感じたことに今の年齢でもハマるとは限りません。
学生時代は毎日のように一緒に過ごした友人の中でも、ライフステージの変化によってだんだんと距離がでてくることがありませんか。お気に入りの作家と読者の関係もそれと同じ。それぞれがそれぞれの人生を進んだ結果として感性に溝ができてくることもあるのだと感じました。
再び読書を楽しみたい
以上のように、40代後半になって趣味としての読書を再開しても思ったようには楽しめませんでした。体力が落ちて、面白さを感じる本が以前とは違ってきたからです。
けれども、せっかく本を読むのなら思いっきり楽しみたいですよね。
体力に関しては運動習慣をつけたり目の酷使に気をつけたりと地道に対処するしかないでしょう。けれども、興味のあり方が変わってきたことについてはすぐに解消ができます。
興味のある本は興味のあるうちに読め!
これに尽きますよね。現在において興味のあるジャンルやお気に入りの作家が、将来もずっとそうであるとは限りません。今の年齢・感性だからこそ手にとりたい本もあるはずです。
そのチャンスを逃がさないようにすることこそ、楽しんで読書をすることの第一歩なのではないでしょうか。興味のある本は後回しにしないように、本との出会いを大切にしたいものですね。