氷河期世代・ロスジェネ世代と呼ばれる年齢の私。この数年は、更年期の症状を感じるようになりました。
それと同時に、若い頃に不思議に思っていたおばさんの行動が妙に腑に落ちるようになってきました。
そのような中の一つが、「おばさんがスキあらば電車の座席に座るのはなぜか」ということです。
「電車の座席に座りたがるおばさん」とは?
住んでいる地域によって、電車のイメージは異なるかと思います。そこで、まずはこの記事においてどのようなイメージを持ってほしいのかを書いておきます。
ここでの電車とは…
1、大阪の通勤電車(窓を背にして7人掛けシートがあるタイプ)
2、帰宅する人が多い時間帯(夕方から夜7時頃)
3、座席もつり革も大体埋まっている程度の混雑具合
上記のような状況の時に、中途半端な座席が一つ空いていることがありませんか?
座れないことはなさそうだけれども、もし座ると隣の席の人とものすごく密着した状態になりそうなので抵抗がある。7人掛けシートに座っている人たちがあと3センチずつ移動してくれたら、ためらうことがなく座れる空間ができそうなのに。
みんなが座りたいと思っているけれども、遠慮のかたまりのごとく取り残された座席。けれども、ちょっと席を詰めてくれませんかとは言いにくいですよね。
そこに、ためらうことなく座ることのできる人がこの記事での「スキあらば電車の座席に座るおばさん」です。
おばさんが座席に座りたがるのは「更年期で体力が落ちる」から
まだ私が20代の頃は、空いている座席を見つけては体をねじ込む姿をみて単純に「おばさんの厚かましさからくる行動だ」と思っていました。けれども、実際におばさんになるとこのように思うようになりました。
「スキあらば座るようにしないと体力がもたない…」
更年期の体力の衰え方には想像以上のものがありました。毎日、どこかに不調を感じるのです。
体力の衰え方には個人差はあるもの。しかし、どのような人であっても少なからず体力は落ちるのです。
更年期の私の身に起こったこと
個人的には次のような点で体力の低下を感じました。
寝不足の時の体力
30代の時は家に仕事を持ち帰って睡眠時間が2時間ぐらいであっても、翌日は少し疲れたと思うぐらいで済んでいました。
現在、同じようなことをしたらどうなるのか? 職場の人にも見た目で明らかに疲れていることがバレバレで「大丈夫?」などと声をかけられます。また、作業効率が落ちたり声が出しにくかったりと仕事に差しさわりも出ることも…。
日常の一コマでの体力
そもそも、睡眠時間を万全に整えていても不調はあります。特に、私が最近に悩んでいることはめまいがするようになったこと。
たとえば、通勤時の駅の階段を上り下りする時に、急に足下がふわふわした感じで自分がどこに足をおけばいいのかがわからなくなるのです。駅の階段を使う時には手すりを持ちながらでなければ怖くて使用できません。
もちろん、めまいは階段以外でも起こります。道を歩いている時、電車に乗っている時、会議をしている時、などなど。場所を選ばずにやってきます。
その間は壁やつり革や机など自分の支えとなるものをとりあえず見つけて、体が地に着かない感じが通り過ぎるのをひたすら待ち続けます。
更年期には体力が落ちると噂では聞いていましたが、ここまでガクッと落ちるとは思ってもみませんでした。
通勤が避けられないのなら自分の身は自分で守る
けれども、更年期のしんどさってなかなかわかってもらえないのですよね。実際に自分がそうなるまではわからなかったのだから、それも当然といえば当然なのかもしれませんが。
さらに、おばさんが更年期で苦しんでいるかどうかは、通りがかりの人がパッと見た時にわかるようなものではありません。
電車の中でふらつきそうで不安であろうが、「大丈夫ですか? 席を変わりましょうか?」と声をかけてもらえる可能性はまずないのです。
だから、自分の身は自分で守るしかありません。
電車の中で立ち続けることに不安があるのなら、厚かましいといわれようが必死過ぎてかっこ悪いといわれようがスキあらば座席を確保します。
そうやっておばさんは更年期の荒波を渡っていくのです。
最後に
おばさん世代の皆が、私と同じような理由から電車の座席にすぐ座ろうとしているとは言い切れません。けれども、ある程度の割合では存在すると思われます。
何事にもその立場になってみなければわからないことは存在するもの。
なぜ座席のこんな狭いスペースに座ろうとするの?
おばさんが無理やり狭いスペースに座ったから窮屈で嫌な思いをしたのに、なんで平気でそんな行動がとれるの?
以上のような疑問が浮かんだ時、そのおばさんは更年期と戦っている可能性を少し思い浮かべてもらえたらと思います。