私の働いている職場の近所には、学校の運動場があります。用事があって外出することがあると、否応なしに体育の授業が目に入ってきます。
二学期まではみんな楽しそうでした。ソフトボールやサッカーで、ワイワイとにぎやかな雰囲気。変わったところでは男子がヤリ投げをしていて、それには少し驚きました。ヤリとは言っても、実際は竹竿のようなもの。でも体育の授業でヤリ投げをするなんて珍しくないですか？
学生たちのヤリ投げを見ると、「百姓一揆」という言葉を思い出して仕方がありませんでした。今どきの男の子って細身の子が多いので、江戸時代の農民たちってこんな感じだったのではとの想像をしてしまうんです。なんだか「年貢を下げろ～」と言いながら、エイヤーと竹竿を投げているみたいでした。
しかし、冬場に学生たちを見かけるとなんだか可哀想に思えてきます。この時期の体育といえば持久走。ひたすら運動場をぐるぐると走る姿があるからです。チビクロサンボに出てくる虎なら、もうとっくにバターになっているくらいに走り回っています。笑顔のカケラなんてありゃしない。苦痛にゆがむ顔と荒い息づかい。登下校中の姿を見ると「気楽でいいね」なんて思ってましたが、高校生もなかなか大変なんですね。
