最近気づいたのですが、私の癖の中には子供の頃に愛読していたマンガ雑誌『りぼん』(集英社)の影響ではないかと思うものがいくつかあるのです。癖というよりも習慣と言った方が正しいかもしれません。
1990年前後の『りぼん』は250万乙女のバイブルと呼ばれて大人気。私も数年間は毎月欠かさずに買うほどにハマっていたのですから、影響を受けない方が難しいですよね。
特に影響を受けたのだろうと思われる習慣が次の3つです。
以下、かつて読んだ漫画の場面に触れることがありますが最後に読んだのは30年以上前のこと。記憶違いもあるかもしれません。こんな雰囲気の場面があったのだなぐらいの感覚でお読みください。
自分を鼓舞するときは沢渡香澄スタイル
生きていれば誰でも不安だったり落ち込んだりすることがありますよね。そんな時に、気持ちを奮い立たせるために自らを鼓舞することがあります。
その方法とは、鏡に向かって心の中で名前を言ってから気合を入れるというもの。実家にいた頃は家族にばれないようにしていたのですが、現在は洗面所の鏡に向かって遠慮なく実行しています。
この行動の原点は何だろうと考えると、おそらくは『星の瞳のシルエット』(柊あおい)の影響だと思うのです。主人公の沢渡香澄が落ち込んだ時に、鏡に映る自分を指さしながらこのような行動をしていましたよね。
さすがにアラフィフの身なのでマンガの再現というほど忠実にはしていません。それでも「詠山依麦子!あれだけ頑張ったのだから明日のプレゼンは上手くいく!」のような感じで鏡の自分に向かって心の中で話しかけるのです。
文字にすると、少し恐ろしさや狂気を感じますね。しかし、私にとってはこれが意外と効果があるのです。ネガティブになった気持ちを立て直してくれるので、あの頃に『星の瞳のシルエット』に出会えて良かったなと思います。
落ち着きたいときには爺の舞
何かをする時に焦っていて空回りをしてしまう時がありませんか? 落ち着いてやればできるはずなのに気持ちばかりが先走ってしまうような状況が。
その時に私の心に浮かんでくるのは『お父さんは心配症』(岡田あーみん)に出てきた福永という人物。お金持ちの片桐の家で働く彼ですが、自分の雇い主に対しても容赦なくクールなツッコミを入れるのが魅力的なキャラクターです。
具体的な状況は忘れてしまったのですが、片桐が自分を落ち着かせようとしている場面があったのです。その時に福永がとったのが「落ち着きたいのなら日本の舞を」のようなことを言って踊ること。インパクトがありますよね。
それがとても私の印象に残りました。それ以降、大学入試・大事な仕事・緊張しすぎているなと思った時には、「日本の舞を」というフレーズが頭の中に浮かんできます。
もちろん、実際に踊るわけではありません。心の中で琴や三味線の音色に合わせて扇を持って舞うイメージを思い描くのです。すると、どうでしょう。不思議と気持ちが落ち着いてきます。
長年繰り返しているうちに、自分の中で定着をしていったのでしょうね。
眠れない夜には羊よりもゾウを数えたい
眠れない夜に「羊が一匹」と数えたことがある人も多いですよね。しかし、私はあるマンガを読んでからゾウを数える癖がついてしまいました。
タイトルがうろ覚えなのですが、確か『こらこらキララ』みたいな感じだったと思います。作者も忘れてしまったのですが、キララという主人公の女の子が泥棒の子孫という設定だったはず。
その漫画のなかで眠る時に「白い象が1匹。白い象が2匹。」のように数えていた記憶があるのです。その当時は、眠れない夜に羊を数えるのに飽きていました。これはいいものを見つけたぞ。しばらくは毎日のように布団の中で白いゾウを数えていたものです。
今でも疲れすぎてなかなか眠れない時には白いゾウを数えることがあります。その結果、眠れないまま朝を迎えるということはほとんどありません。科学的な根拠はなくとも、信じる者は救われるというような精神面での効果はあるのかもしれませんね。
考えてみると面白い
以上の3つが、現在も自分は『りぼん』の影響を受けていると感じることです。思いついたのはこれだけなのですが実際にはもっとあるのでしょうね、きっと。
あの頃に『りぼん』を読んでいた皆さんの場合はどうですか?
私の場合は習慣という形で影響を感じたのですが、中には他の形で感じた人もいるのではないでしょうか。『ポニーテール白書』(水沢めぐみ)が好きだったから剣道を始めた、『天使なんかじゃない』(矢沢あい)が好きだったから生徒会に入ったというパターンです。
こういうことは考えたところで何かの足しにはなるわけではありません。でも、懐かしさを感じたり自分を振り返ったりすることはできます。時には、考えてみるのも面白いものですね。
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