一人暮らしをしていると、こんな時に誰かが一緒にいてくれたらなと思うことがあります。
38度以上の熱が出た時、震度4以上の地震があった時、夜中に近所でケンカのような大声がする時、料理中に指を切ってしまい思った以上に出血した時。
普段と違うことが起こると誰かを頼りたくなりますよね。
先ほどの例に比べると些細な出来事なのですが、「誰かいてくれれば…」と思ったことが最近にあったのです。
背中にできもの(おでき)が出来た
ある日の夜、眠ろうと思ってベッドに入った時のこと。左の肩甲骨のあたりに違和感があるのです。床とこすれるような微妙な刺激とでも言いましょうか。
鏡で確認をしてみると、肩甲骨にプクッと膨れたできもの(おでき)が! これが原因に間違いありません。
違和感なく眠れるように絆創膏でも貼っておこうか。そう思った時にある問題に気付きました。
この位置にどうやって絆創膏を貼ったらいいの?
体が柔らかい人なら問題ないのでしょうが、私はかなり体が固い方。肩甲骨に絆創膏を貼ろうとした時に、肩の上から手を回しても脇の下から腕を回してもギリギリ届くかどうかのラインです。
しかも、それを鏡越しに間接的に狙いを定めるとなると太刀打ちのしようもありません。
「せなはり」が欲しい
肩甲骨に手が届かないとなった時、昔に観たあるテレビ番組のことを思い出しました。それは『発明将軍ダウンタウン』という番組です。
この番組は、一般の方が登場して自分の発明したものをプレゼンするという内容。当時、よく登場していた発明家の方が「一人で背中に湿布を貼れる道具」を持って出場していたのです。
確か「せなはり」という名前だったような…。使用目的から考えると「背貼り」との漢字表記だったかもしれません。
番組を見ていた当時は私もまだ若かったので、背中に湿布を貼るなんて自分とは無関係だと思っていました。ものすごくターゲットの狭いものを発明するなと不思議な気持ちもありました。
けれども、今ならわかります。中年の一人暮らしにとっては背中に湿布を貼る道具はそれなりのニーズがあることを。
番組放送当時、「せなはり」は改良を加えつつ数回は登場していました。さらにグレードアップした改良版が登場して絆創膏にも対応していたら、家に常備しておきたいです。
持つべきものは絆創膏を貼ってくれる先輩
しかし、現実に私の手元に「せなはり」はありません。背中のできものを気にしつつもそのまま眠りにつきました。
翌日、いつものように出勤をしたのですが、このできものの位置が最悪だということがわかりまして…。
通勤の時に肩掛けのバッグを使っているのですが、背中側の肩紐が微妙にこすれるんです。よりによって何故その位置にできてしまったのか。
もうこれは自力ではどうにもなりません。恥を忍んで誰かに頼まなければ。
同世代の人がいると頼みやすいのですが、就職氷河期世代は人口が多いはずなのに職場にはほとんどいないのです。プライベートな話までしない人にはさすがに頼みにくいし、相手が男性となると言うまでもありません。
結局、職場の中でも一番親しくしている先輩にお願いすることに。
「かくかくしかじかで肩甲骨に絆創膏を貼ってくれませんか。」
先輩:「一人暮らしだとこういう時に困るよね。」
独身街道の一歩先を歩む先輩は快く引き受けてくれました。持つべきものは絆創膏を貼ってくれる先輩。話が早くて助かります。
数日後、無事におできも消滅。こうして無事におでき騒動は幕を閉じたのでした。