皆さんは電車に乗っている時にストレスを感じることはありますか? 電車という閉鎖された空間の中に複数の他人が乗り合わせるわけですから、まったくないという方がむしろ不自然ですよね。
もちろん、私にも存在します。それは、空いている電車で座っている時に目の前に立たれること。これが一度や二度ならいいのです。しかし、私の場合は異常に多くてそのことを友人からも指摘されるほどでした。
私が電車で座っていると目の前にやたらと人が立つのはなぜなのか?
発想を逆にして「目の前に立つ側の人」の立場で考えてみると、私はそのような人を吸い寄せる属性のど真ん中にいるようなのです。同じようなストレスを抱えている人には重なるところが多いのかもしれません。
【前提】座席の前に立たれてストレスを感じる状況とは
まず、前提となることを確認しておきます。
私がイメージしている電車とは以下のような感じ。
・都市圏を走る電車
・7人がけシート
・30分以内の乗車時間
・座席は埋まっているが、立っている人はほとんどいない
・私が座っているのは7人掛けシートの両端ではない
このような状況の時に、私の前に誰かが立つとストレス度が一気に上がります。
もちろん、相手がどこに立とうが自由でありそれに対してとやかくいう権利はありません。けれども、その程度の乗車率なら扉の横のポールや両端の座席の前に立つ人が多いですよね。
だから、座っている側としてもその心づもりでいるのです。それなのに、あえてその場所を外して立つというイレギュラーな行為に違和感がぬぐえません。
座席の前に立たれやすい人の特徴を考える
電車に乗っている時に座席の前に立たれやすいのはなぜか。それを考えるためには、逆からのアプローチが有効だと思われます。つまり、どのような人の前に立ちたいのかということです。
前にスペースがある人
座っている人が足を組んでいたり前に投げ出していたりするとその前には立ちたくないですよね。つり革が持ちにくい上に、通路の中央付近に立たなければならないため降りる人の妨げになりやすいからです。また、その人の足にぶつかるのではなどと余計な心配も避けられません。
同様に、大きな荷物を足元に置いている人の前も避けたくなりませんか。電車のカーブでふらついた時に足の置き場がなくなってしまいます。荷物を蹴ることのないように細心の注意も必要です。
座席の前に十分な空きスペースがあったなら何も気にすることなく自分のペースで立つことができます。
人あたりが良さそうな人
電車の中には様々な人が乗り合わせるので、時には不快な態度の人に遭遇することがありますよね。そのような人の前にも立ちたくはありません。
隣の座席に大柄の人が座った時にあからさまにため息をつく。マスクをしている人が咳を1回しただけで嫌そうに顔をしかめる。スマホに夢中で隣の人に肘を何度もぶつけているのに、相手の肘が一度当たっただけで舌打ちをする。
これらの例は、実際に私が見かけたことがあるものばかり。このような人たちの前に立つと、何もしていなくても文句を言われそうで怖さを感じます。
たまたま居合わせた人の中から一瞬で「不快な態度を取りそうな人」を見分けようと思ったら、その大きな材料となるのは見た目です。人を見た目で判断してはいけないというけれど、相手の人となりをじっくりと知る機会がない場面ではそんなことは言っていられません。
顔を見たり雰囲気に触れたりしただけで良い人オーラを感じる人は、他人に対して安心感を与えますよね。そのような人の前なら抵抗なくつり革につかまることができます。
例外は、その人自身は人あたりが良さそうであっても一緒にいる友達や同僚等からくせ者の臭いがするパターン。その場合は、やはりその人の前は避けた方が無難でしょう。
どの駅で降りるのが確実な人
疲れていてできることなら座席に座りたいという日もありますよね。運がよく座席が空いていればいいのですが必ずそうなるとは限りません。そのような時に吸い寄せられるように立ってしまいがちなのが、どの駅で降りるのかが確実な人の前です。
朝の通勤時だと「いつもの時間」に「いつもの車両」から乗車することが多くありませんか? そのため、同じ車両でよく見かける人が何駅で降りるかを自然に覚えてしまうのです。
座りたい日には、自分よりも先に降りるのが確実なあの人の前を陣取りたくなります。考えることは皆同じで争奪戦になることも珍しくはありません。しかし、無事にポジションを死守して座れた時には喜びも格段です。
制服で登校している学生も降りる駅がすぐにわかりますよね。疲れていている時には、その人たちの前にも立ちたくなります。
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起きていてスマホを触っていない人
先ほどの1~3の項目については、現在の自分の立場だったらということを踏まえて書きました。しかし、電車の中には高齢者や妊婦さんなども乗っています。もしも自分がその立場で「席を譲ってくれたらな」と思って誰かの前に立つ場合を想定してみます。
席を譲ってもらうためには、まずは自分の存在に気づいてもらう必要がありますよね。スマホを触っている人はそれに夢中になっていることが多いので、こちらのことなど眼中になさそうです。眠っている人は言うまでもありません。
起きている人の中でも、窓の外を眺めていたり中吊り広告を見ていたりする人なら気づいてもらえる可能性が高そうです。おそらく、私なら起きているけどスマホを触っていない人の前に立つことでしょう。
私の属性は座席の前に人を呼び込みやすい
以上のように、電車の乗っている時にどのような人の前に立ちたいかを考えてみました。すると、私の属性は座席の前に人を呼び込みやすいようなのです。
私の属性を簡単にまとめるとこのようになります。
「胴長短足」
「地味なおばさん」
「通勤利用」
「スマホを触らず起きている人」
つまり、電車内で私の前に立つ人の脳内では次のようなことが起こっているのではないでしょうか。
私のことを知らない人の場合
空いている席がない…。あれ、あのおばさん頭の位置が人より一つ飛びぬけていてやけに目立つな。なんか地味そうだからあの人の前に行ってもトラブルにはならなそうだ。足も短いから前のスペースが広くて立ちやすそうだ。
通勤電車でいつも乗り合わせる人の場合
あのおばさんはいつもA駅で降りるんだよね。あの人が降りたらそこに座りたいから真ん前に貼りついて何が何でもあの座席に座るぞ。
席を譲ってほしい人の場合
誰か席を譲ってくれないかな。みんな寝ていたりスマホを見ていたりで気づいてくれそうにない。どうしようか。…と思ったらあの座高の高いおばさんだけ起きてるよ。変な人ではなさそうだから前に立てば席を譲ってくれそうだ。
もちろん、どれも想像でしかありません。しかし、自分が座りたい立場で考えたことを踏まえると大きく外れてはいないだろうと思います。
ポジティブな言葉に変換してストレスをやり過ごす
冒頭でも述べたように、電車内の乗客が少ないにもかかわらず私が座っている目の前に立たれることはストレスにつながります。これはパーソナルスペースを侵されるからだと思っていました。けれども、それだけではなさそうです。
空いている車内であえて7人掛けシートの中央付近に立つ人は、本人が無自覚のままに相手を選んでいる可能性が大。その態度を私も知らず知らずのうちに察してしまうのです。
こちらはパーソナルスペースに入ってほしくないのに、勝手に品定めをされてターゲットに選ばれてしまう。もっと言葉をきつくすれば、相手から恐れるに足りない扱いやすい人だと認定されてしまう。そのことに対する不快感がプラスされてより強いストレスにつながっているのでしょう。
ただ、逆に考えると相手からこのように思われているともいえるのではないでしょうか。
・あの人なら自分のパーソナルスペースに入られても嫌じゃない。
・あの人は常識がありそうだから近くに寄っても安心だ。
根っこは同じでも言葉を変えるだけでかなりポジティブな印象になりますね。誰かが座席の前に立ったとしても、このように考えられればストレス度は減りそうです。
相手の気持ちはこちら側ではどうすることもできません。それならば、こちらが考え方を変えればよいのです。それで少しでも心穏やかにすごせるのならば試してみる価値はありますよね。
そうは言っても、いきなり考え方を変えるのは難しいものです。しばらくは無理やり自分に言い聞かせる状態が続くはず。けれども、心穏やかな電車ライフのためにうまく気持ちを切り替えたいものですね。